"端正な顔立ちをした青年というのは、他者の視線や欲望を自らに内在させてしまうことが多いのではないだろうか。女性のことはわからない。同性の、容姿に恵まれた友人知人と言葉を交わす中で、そのようなことをぼんやりと思う。思春期、と呼ばれるような季節にあって、多くの凡庸な人間が鏡を前に葛藤を繰り返すように、同じような仕方で彼らも内面と容姿、あるいは肉体とのずれに苦しむ、ということがあるのではないか。そして端正な顔立ちをした青年の方が、そこにおいて躓くことが多いのではないだろうか。内面化された他者の視線あるいは欲望に、知らず傷付けられている、ということがあるのではないだろうか。誤解をされるかも知れない。僕は、この世における美醜が厳然とある種の価値を持ち、大きな意味をもつということを否定するものではない。内面の美は内面の美に固有なあり方で人にはたらきかけることがあるだろう。それとは異なる仕方で、外的な美というものはあるように思う。そこで人は自らに躓く、ということがあるだろう。またそれは人を躓かせもするだろう。ある容姿の端正さ、外的な美が、ある種の悲惨さを予感させないのだとしたら、僕はそれを真実に美しいとは呼ばないだろう。"
2009-10-26 (via ひとり木をたたけよ)
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